実態のないタラレバ話はギャンブル
「数ヶ月後に何倍になる」とか「何億円になっている」とか「何千万円儲けた」とか、ウキウキする話には必ずと言って良いほど裏があるものです。
実態がある事業にはそんな美味い話はありませんし、そういうものほど実態のないこれからの話です。
それは正にギャンブル。当たる可能性は限りなく低いです。
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目次
美味い話には裏がある
呆れるほど美味い話に騙される人が後をたちません。
ワクワクする話ほど嘘の話だということを、そろそろ理解しましょう。
経済のことが少しでもわかれば騙されないと思うのですが、ワクワク話に目が眩み、理解能力が麻痺してしまうのでしょう。
マクロ経済的には、世の中のお金は無限ではなく有限であります。
紙幣を無作為に増刷すれば、その分物価が高くなり(インフレーション)、紙幣の価値は下がります。
例えば1兆円の紙幣をいきなり2兆円分増刷すれば、物価は2倍となり、結果的に1万円の価値は5千円になります。
つまり、紙幣の枚数が増えたとしても、所有するお金の価値は変わらない(増えない)ということです。
したがって、短期間の間に資産が何十倍にもなるということは通常あり得ないことになります。
ただし、稀に需要と供給(売り手と買い手)のニーズが合って取引が成立すれば、短期間で大きく資産を増やすことができる可能性もあります。
暗号資産の功罪
昨今ではBitcoinに代表される暗号資産が、数年で何百倍という価格の高騰を見せましたが、それは法定通貨の信用度の下落であったり、ブロックチェーンという新しいテクノロジーだったり、決済システムの過渡期という時代のニーズにマッチしたことが理由の一つにあげられます。
しかし、高騰の大きな要因はマネーロンダリング(資金洗浄)としてのツールとして、ブラックマネーからのニーズがあったからに他なりません。
現在は暗号資産を使ったマネーロンダリングへの監視は強化され、多くの国で法規制されてきていることから、過去にあったような非常識な高騰は今後はなかなかないものと考えられます。
株と同じように、企業業績(事業実態)を反映して、数年で数倍というのが現実的な数字であるでしょう。
現在の日本の税制を考えれば、国内では暗号資産への投資は税引後の利益を考えれば、株式投資の方が良いかも知れません。
暗号資産への投資は「ギャンブル」と考え、当たればラッキーくらいの気持ちで少額で行うのが良いでしょう。
換金できない数字はお金ではない
そうは言っても暗号資産への投資をする人が後をたちません。
暗号資産への投資を反対するわけではありませんが、ギャンブルであることを理解した上で投資する必要があります。
ギャンブルとして、自分の小遣い程度で自分だけ参加するのなら良いのですが、暗号資産案件のネットワーク(MLM)では知らず知らずのうちに被害者を拡大してしまいます。
詐欺案件の手口
投資系MLMの手口は、どこもだいたい似ています。
最終的に大きなお金を集めて飛ばすことが目的であるため、情報弱者や老人がワクワクするような話でお金が集まる仕組みを作為的に作っています。
投資したお金が増えているように見せかける
先ず、投資したお金が増えているように見せかけないと、人は集まりませんし、お金も集まりません。
月利20%とか30%とかあり得ない話を持ちかけて、情報弱者や老人からお金を騙し取るハイプ話が昨年は一世風靡しました。
一部の人に実際に現金化させる
画面上の数字が何億円になっても、誰も現金化できていなければ、流石に人も集まらなくなりますし、お金も集まらなくなります。
本当に儲かっているようにみせかけるために、リーダー格の人が現金を出金し、本当に儲かるかのような印象操作をします。
では、そのお金の出所はどこでしょうか?
ここが一番重要なところです。
投資したお金が実際に運用されたり、値上がりした暗号資産を購入する機関投資家がいて、実際に増えたお金を出金していれば問題ないのですが、実際は集めたお金からのコミッション(ボーナス)を出金しているだけで、投資したものの価値が上がっているわけではないのです。
集めたお金を上位者が分配する、いわゆる「ネズミ講」「マネーゲーム」と呼ばれる違法行為です。
リーダー格はそれが怪しい話だとわかっていても、一時的な儲けのために知らないふりをして、次の獲物(被害者)を作るために、スーパーカーを買ったり、高級時計を買ったりして、「儲かる話」だということを印象づけます。
スーパーカーや高級時計、ブランド品は、印象操作をするためのツールであり、情報弱者や老人は簡単に印象操作をされて何百万円〜何千万円といった大事なお金を投資してしまうのです。
投資先が変わる(出金できなくなる)
リーダー格がスーパーカーを買ったり、高級時計やブランド品を身につけ、印象操作によって大きなお金が集まった後、いよいよ一般会員が利益の換金を求めるようになります。
当然、集めたお金は上位者のコミッションとしてスーパーカーや高級時計、ブランド品に変わってしまっており、運用等で増えているわけではないので、出金されたら困ってしまうわけです(出金するお金がない)。
ここで、仕掛け側がとる対策はいくつかに分かれます。
- 出金制限をかけ少額しか出金できないようにする
- 他のものと交換させ、出金までの期日を数ヶ月〜数年先に引き伸ばす
- ハッキングあった等の言い逃れで出金できないようにする
- 突然サイトが閉鎖され、行方をくらます
多くの人が上記のどれかを経験したことがあるのではないでしょうか?
かく云う筆者も経験があります。
初めから怪しいと思いつつ、付き合いでギャンブル的に少額しか参加していませんが、まあ良くある話です。
これも社会勉強ですね(汗)
儲けてる人の話はほとんどネズミ講
このように、ほとんどの投資系MLMは実態のないネズミ講(マネーゲーム)であり、初期メンバー(ボードメンバー)だけが集めたお金からコミッションを貰うことで儲ける仕組みになっています。
物販系は流通を作ることで売上を上げることができ、会社の利益になるためネットワークにする理由がありますが、投資系は募集枠を無制限にしても会社の利益にはならないため、MLMにする理由がほとんど見当たりません。
投資系のMLMで無制限に募集しているものには注意しましょう。
投資系のMLMで儲けていると話している人は、たいてい被害者から集めたお金をコミッションとして貰っている詐欺のような話が多いです。
知らずに伝えてしまって、結果的に被害者を作ってしまった人は同情できますが、多くのリーダー格のボードメンバーは詐欺だとわかっていて集めているのでタチが悪いです。
「騙される奴が悪い」「儲けている人は儲けている」というように、開き直る輩がいるのもこの手の投資系MLMです。
簡単に騙されないようにするために
簡単に騙されないようにするためには、いくつかのキーワードを覚えておくと良いです。
- 投資系MLMには注意する
- アービトラージ(必ず勝てる)は続いたものがない
- 月利●●%を確約することはできない
- これから始まるタラレバ話は期待できない
これらのキーワードを覚えておくだけでも、詳細はわからなくても騙される確率が下がるのではないかと思います。